正しいサンスクリーン剤の選び方
紫外線対策には、帽子や日傘なども有効ですが、それだけでは紫外線を完全にシャットアウトすることはできません。
毎日の紫外線対策で大切なのは、やはりサンスクリーン剤。
出かける時は必ず塗る、毎朝カーテンを開ける前につけるなど、毎日きちんとサンスクリーン剤を使うことが重要。
ここでは、サンスクリーン剤の正しい選び方と塗り方を解説しています。
ぜひ参考にしてください。
「PA」と「SPF」
市販のサンスクリーン剤には、PA値とSPF値が記されています。
PAは、紫外線A波を防ぐ効果を「+」の数で表したもの。
SPFは、紫外線B波を防ぐ効果を表す指標であり、素肌に日光を浴びた時に比べて、日焼けを起こす最小紫外線量をどれくらい多くできるかを数字で表しています。
例えば、「SPF10」なら、素肌の時より10倍の紫外線量を受けて、初めて赤くなります。
新しく登場した「PA++++」(フォープラス)
SPF値が高いサンスクリーン剤を塗っていれば安心、と思ってしまいがちですが、ガード力の高いものを塗っていると、油断して塗り直しを怠ってしまう可能性もあります。
これでは、効果がなくなってしまうし、シミ対策の意味では、いかにA波を防ぐかが大切になってきます。
日本では、紫外線を防ぐ効果を表すPFA(またはPPD)が8以上のものは、10でも20でも「PA+++」と表示されていました。
しかし、最近では、16以上のものには「PA++++」の表示ができるようになっています。
刺激の強いB波と、シミを濃くするA波の両方をしっかりシャットアウトするためにも、「SPF30ならPA+++」など、SPFが高ければPAも高いサンスクリーン剤を選ぶことをオススメします。
肌に合うものを選ぶ
サンスクリーン剤は、毎日使うものです。
そのため、直接肌につけるものなので、肌への負担が少ないものを選ぶことが大切。
サンスクリーン剤は、紫外線をはね返す「紫外線散乱剤」と、紫外線を熱エネルギーに変えて放出する反応を起こさせる「紫外線吸収剤」が配合されていますが、SPF値が高い製品は、吸収剤の含有量が多く、肌への負担も大きくなります。
子供や敏感肌の方は、無香料・無着色で散乱剤を主成分とする低刺激の製品、植物由来の成分を使用したサンスクリーン剤がオススメ。
SPF値が「5」や「10」でも、しっかりと塗って、汗をかいたら塗りなおせば、きちんとガードできます。
また、新しいサンスクリーン剤を使う時は、耳の後ろや腕の内側などの目立たない所に少量を塗って、パッチテストをしましょう。
赤くなるなどの異常が出た場合は、使用を中止します。
肌のタイプとTPOで使い分ける
人間の皮膚には、紫外線から遺伝子を守る働きが備わっています。
この大切な働きをしているのが、色素細胞を作るメラニンです。
日焼けをすると、最初は肌が赤くなり、数日経つと褐色になっていきます。
肌が褐色になるのは、色素細胞がメラニン細胞を作っているため。
赤くなるだけで、黒くならない人尾いますが、これは紫外線を吸収して皮膚へ害を食い止めるメラニンを少ししか作っていないからです。
赤くなる度合いが高い人ほど、遺伝子DNAに付いた傷の量が多いことが分かっています。
紫外線に反応してメラニンを作る能力というのは、遺伝的に決まっていて、日光を浴びた後の反応によって、日本人のスキンタイプは3つに分けられます。
以下のタイプを参考にして、自分の肌タイプやTPOに合ったサンスクリーン剤を選びましょう。
日光を浴びると赤くなりやすく、黒くならない人
・1時間以内の外出時:SPF10、PA+
・3時間以内の外出時:SPF30、PA+++
・3時間以上の外出時:SPF50、PA+++
日光を浴びると赤くなり、やがて褐色になる人
・1時間以内の外出時:SPF10、PA+
・3時間以内の外出時:SPF20、PA++
・3時間以上の外出時:SPF30、PA+++
日光を浴びても赤くならず、どんどん黒くなる人
・1時間以内の外出時:SPF5、PA+
・3時間以内の外出時:SPF10、PA+
・3時間以上の外出時:SPF20、PA++
塗り方のポイント
サンスクリーン剤は、以下のポイントに注意して塗りましょう。
・汗や汚れを落としてから塗る
・塗る量が少ないと効果が落ちるため、使用法に記載してある適量をムラなく、引き伸ばすように塗る
・顔、首、デコルテだけでなく、手足の日光を浴びる部分にも塗る
・耳の裏、小鼻の脇にも塗る
・サンスクリーン剤の上にUVカットファンデーションを塗ると効果的
・UVカットファンデーションは、成分の相性もあるため、同じメーカーで揃える
・汗をかいたら塗り直す
・いつでも塗り直せるように、サンスクリーン剤を携帯する
・帰宅後は石鹸でキレイに洗い落とす